遠野物語から思い出した大人びた恋の景色
昨日いらしたお客様に「夏はどこか行かれたんですか?」と訊きましたら「何処にもいかなかったわよ。あ~今度一人旅でどっか温泉にでも行きたい!」って仰ってました。
そうですね。今年は集中的に猛暑が続いたので 遠出した人って多かったのかしら?
先日、ラジオでテリー伊藤さんがあんべ光俊さん作 飛行船の「遠野物語」をかけてましたが、郷愁をそそる素敵な歌ですね。
テリーさんが言うには
人を傷つけてもそれを思い出にしたかった
というフレーズはなかなか出てこないものだと。
私もこの歌に影響されて若いとき、遠野に出かけたことがありました。
そして、盛岡に年上の恋人と旅したことがありました。
夜は「南部炉端」という、懐石の精進料理なのだけども、濁り酒も出してくれる土間づくりのお店に連れて頂きました。
お膳で出てきて、確かお豆腐や、お魚、和え物、香の物、汁物と和風だったと思います。
かかっているBGMはひく~く民謡だったかな?
そして壁の作り台の上には天狗信仰なのでしょうか?
なんと男根が数本祭られてました。
そしてお膳の上には、そこのご主人が筆で書いたというお品書きが、上等な和紙に書かれてありました。
聞けば小学校の校長先生を退職されて、そこのお店を始められたとのことでした。
また、お会計の際もその和紙に金額を書かれて渡され、尚、俳句だったかしら?達筆な文字で書かれてありました。
その粋なはからいに心動かされ、大切に持ち帰った記憶があります。
懐かしいですね~風情がありました。
今はもうあのお店はないのでしょうか?
確か開運通りか開運橋だったかと思いますが・・・
20代の頃、大人びた恋にあこがれた季節の記憶を、懐かしく遠野物語から紐解いたひと時でした。