物に宿る思い

数年前、鞍馬山に登って、下山したところのお土産店で買ったのはなぜか真っ赤な天狗の仮面だった。

鞍馬山の思い出にと、数ある仮面の中からみごとにつややかな真っ赤な仮面を部屋に守り神として飾ろうと買ったのだ。

長い帰途のあと自宅に帰り、その仮面を鏡台の横に飾った。

でも、その日からなんか心重く、気分が晴れず、どうしたものか?と思い、最近新しく手に入れたものは何か?と思いあぐねたら、それはその真っ赤な仮面だった。

結構高かった・・・

それで、その仮面を壁からはずし、何か感じられるかな?と仮面を机の上にのせて左手でエネルギーを感じてみた。

そうしたら、こんな声が聞こえてきた。

「毎日、毎日、こんな山奥で天狗の仮面に色を塗って・・・私は何をやっているのか

美大を出ているのに、こんなところでしか仕事ができないのか?

何のために美大をでたのだ!こんな仮面に色を塗るために私の筆はあるのではない

ううう・・・」

と恨みがましい声がきこえたのだ。

毎日毎日楽しく感謝をしながら仮面の色を塗っていたらそんなことはないが、毎日恨みがましくそれをしていたらどうだろう。

物には思いが宿るという。

だとすれば作り手の思いも宿るだろう。

いまだに記憶に残るできごとだった。

妄想か、サイコメトリーか、あなたはどう思いますか?