吉田 兼好 徒然草 123段

吉田兼好の徒然草が好きだ。それは学生の頃から。

しかし、学生の頃は「つれづれなるままに」から始まる序段の美しい言葉のリズムに魅了されながらも内容にピンと来なかった。

でも今は年齢が兼好を理解する時期になったのかとても共感を覚えるのだ。(私の日記帳のネーミングは学生時代からつれづれ)

不惑の40とあるが、40代は女盛りで仕事もプライベートも心も体も元気だったが、しょっちゅう迷っていた。とても惑わずとはいかない。ようやく不惑の50なら理解できるというもの。

出家僧、吉田兼好。全てにおいて厭世的、懐疑的、もののあはれ、無常観をベースにした内容はハンパない。

しかし、熟読してみると心理学、哲学、宗教、教養の話題について広くも深い洞察力をもっている。

まるで登山者がジグザグ走行しながら頂上にたどりつくような、はたまたタモリが人の中傷や悪口をまともに受けず体をよけて32年間の笑っていいともを続けられたような、そんなバランス感覚を感じる。

充分今の世界にも通用する吉田兼好の世界・・・

これこそ現代のスマホに代表される超情報社会の中で自分を見失わない指針になるのではと個人的に思うのだ。

得に好きなのは第123段だ。

無益のことをなして時を移すを、愚かなる人とも、僻事する人とも言ふべし*。国のため、君のために、止むことを得ずして為すべき事多し*。その余りの暇、幾ばくならず*。思ふべし、人の身に止むことを得ずして営む所、第一に食ふ物、第二に着る物、第三に居る所なり。人間の大事、この三つには過ぎず。饑ゑず、寒からず、風雨に侵されずして、閑かに過すを楽しびとす。たゞし、人皆病あり。病に冒されぬれば、その愁忍び難し。医療を忘るべからず。薬を加へて、四つの事、求め得ざるを貧しとす。この四つ、欠けざるを富めりとす。この四つの外を求め営むを奢りとす。四つの事倹約ならば*、誰の人か足らずとせん。

所謂、衣・食・住と医療さえ足りていればよし!としよう。その他は贅沢じゃ~ということだ。ま、そこに足つぼも入れてほしいところである・・・

それはそうと、なんて素晴らしい応援ソングだろう。肩の力が抜けるね!

昨日も人の生死を扱うお仕事のお客様が「人間何大切かって命があるという事だけよ!」と仰ってました。なんとその言葉の響くこと。

以上、我、兼好の123段に酔いしれたのでござる。(で、このブログを書いている間中有線のBGMは洋楽からお琴にしていた。)