北海道での思い出。
北海道に越したお客様からメールが届いた。
嬉しかった。
私のブログをご覧になり松戸が懐かしいと書かれてあった。
私も懐かしく感じた。
でもお元気そうで何よりです!
そして私は、北海道の若かりし頃のお友達を思い出した。
ともみは北海道生まれで私と同じ年の娘だった。
昔女優で中村れいこがいたが、よく似てた。
また歌手のレベッカにも似ていた。
スタイルも良く華やかな美人だった。
いつも岐阜の全国研修では、積極的に質問をし、仕事ができ目立った人間だった。
タバコを吸っていたので声はハスキーだった。
彼女とは札幌の地区研修で決起会をしたとき向かいの席になった。
私はフレッシュオレンジのツーピースを着ていて、彼女は白いワンピースを着ていた。
二次会にいこうかどうか迷っているとき、ともみは声をかけてきた。
「カラオケいこうよ。私の知ってるスナックあるからさ。」
そしてひとこと付け加えた。
「君はいい顔しているねえ。好きだよその顔!」
男性にそういわれることはあったが、女性にそんないわれ方するのはめずらしかった。
他のメンバーも数人連れ立った。
彼女は私の腕をとり決起会ですでに少し酔ったあしどりで次の店へと向かった。
道すがら、歩道の端の屋台で焼きとうもろこしが売られていた。
確か、石川啄木の歌に「とうもろこしの焼ける匂いよ」というのがあったが、その歌を思い出しながらその香ばしい香りに懐かしさを感じた。
しかし買う気持ちより飲みたい気持ちが勝った。
行き先は当然札幌、すすきのバー。そしてスナックK
彼女はそこの顔だった。
というよりも半分ママのヘルプをしているかにも見えた。
暗がりの中にまた一人お客様がやってきた。
それは有名なテレビのキャスターだった。
「あーらおひさしぶり!」
「おお!ともみ元気だったか?最近みかけないじゃないか~」
二人は映画のワンシーンのように抱擁しあった。
そこには私の知らない夜の世界が繰り広げられていた。
顔の広いともみは色んな人から声をかけられていた。
その夜、私はホテルを予約していたがともみが語り明かそうというので彼女のマンションに泊めてもらうことにした。
話はいろんなジャンルに渡りとめどなかった。
木の実ナナのような小麦色の肌と弾力ある肢体
彼女は北国の女性というよりはどうみても南国の女性に見えた。
私は色が白く彼女とは対照的だ。
しかし二人で町を歩くと姉妹に間違えられたほどだ。
ともみ・・・
私の部屋にも泊まりに来たよね。
しょっちゅう絵葉書をくれてきれいでパワフルな字だった。
一番の親友になれたはずだった。
なのに、彼女の恋の秘密を知ってから、私の友情は急激にさめていった。
私の若くて純粋なハートはまだ過酷な季節に荒らされることを知らないので、当時は、彼女の生き方を受け入れるキャパがなかったのだ。
しかし、そんな公明正大な私が、自分はそんなことにはならないと豪語していたのに、数年後に彼女と同じような恋をしてしまうのだ。
人を馬鹿にしているといずれ自分が馬鹿な本人になったり、不倫はだめよと言いながらいつの間にか不倫に落ちてしまったりすることもある。
そんな20代の半ばから後半までのうら若き日々を辿ることができたのだった。
そんなことが白い雲のようにぽっかりぽっかりうかんでくるのだった。
以上、20代の頃の思い出がYI様のメールで蘇りました。
懐かしさは癒しの感情。
YI様。
癒しの日々をいざなってくださり有難うございました。
そして北海道で頑張ってね!
またお便りください。